契約書を作成したり、また取引先から提示された契約書の内容をチェックしたり際にまず重要なことは、契約書を締結する実際の取引をイメージすることだと言えます。

様々な用途に応じた契約書のひな型をネットや書籍から容易に入手することができます。しかし、それら一般的なひな型を用い一部を書換えただけで、実際の取引内容に使える契約書となるでしょうか?

確認しておくべき重要な点を落としたり、想定外のリスクを生み出してしまったりするかもしれません。

このような危険を避けるためにも、契約書の作成や検討の際には、実際の取引の状況や過程をイメージしながら、契約書の条項のひとつひとつを丁寧に吟味していく必要があります。

自分が受注する側であっても、注文品を期限までに納品することでは債務者ですが、代金を請求する債権者でもあります。つまり、契約書に書かれている各条項において、自分が債権者となっている場合もあれば、債務者となっている場合もあるということです。

したがって、契約書の各条項を、自分が債権者として何をどのように請求できるのか、反対に、自分が債務者として何をどのようにしなければならないのかを具体的に捉えて、判断しなければなりません。そのためには、契約する実際の取引を、取引開始から終了までのすべての段階をイメージすることがとても重要になってくるのです。