【補助金】事業再構築促進補助金<解説2:補助金額・補助率>

みなさん、こんにちは。アイデア光る補助金エキスパート行政書士の中牟田です。

「事業再構築促進補助金」の解説2回目のテーマは補助金額・補助率について。

事業再構築促進補助金では、補助対象者を2つに分け、それぞれについて2つの枠を設けることが計画されています。

まずは、補助対象者が中小企業の場合

<通常枠>
補助金額:100万円~6,000万、補助率:3分の2

<卒業枠>
補助金額:6,000万円超~1億円、補助率:3分の2

通常枠において補助金額が最大6,000万円補助率3分のと計画されています。
大型かつ有利な内容になっており、大掛かりな(投資金額の大きい)事業計画を実施することもできるのではないでしょうか。

今回初めて登場するのが“卒業枠”です。
公開されている資料では、卒業枠とは、「事業計画期間内に、①組織再編、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかにより、資本金又は従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠」と説明されています。

この卒業枠は、補助金額が最大1億円とかなり大型の補助金になりますが、いろいろと要件が設けられています。

事業計画が次の3つの類型のいずれかに限定されます。
 ①組織再編
 ②新規設備投資
 ③グローバル展開

各類型の具体的な内容については公募要領が公開されないとわかりません。

組織再編とは、会社法(第五編)では“組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転”の4種類が規定さています。事業再構築促進補助金の①組織再編の内容がどうなるかはまだわかりませんが、会社法の規定を参考にすることは考えられるかもしれません。

新規設備投資は、読んで字のごとく、ものづくり補助金と同じように機械装置の購入やシステム構築費が該当してくるのではないでしょうか。

グローバル展開は、ものづくり補助金で実施されているグローバル展開型が参考になるかもしれません。
ものづくり補助金のグローバル展開型では4つの類型(海外直接投資、海外市場開拓、インバウンド市場開拓、海外事業者との共同事業)が設けられています。
事業再構築促進補助金のグローバル展開型も、このものづくり補助金のグローバル展開型の4類型に似た内容になるかもしれません。

次に、事業計画の実施によって資本金又は従業員を増やすことが要件になっています。
資本金又は従業員を増やすことで中小企業から中堅企業になること求めていることになります。
中小企業の定義は中小企業基本法に定められています。したがって、この中小企業の定義よりも資本金又は従業員を増やすことが、“卒業枠”の要件だと考えられます。

 

次に、補助対象者が中堅企業の場合。

<通常枠>
補助金額:100万円~8,000万円、補助率:2分の1(4,000万円超:3分の1)

<グローバルV字回復枠>
補助金額:8000万円超~1億円、補助率:2分の1

まず中堅企業の定義について、具体的なことは公募要領を確認してみないとわかりません。
資本金又は従業員数が中小企業の定義よりも多い企業が該当すると考えて良いのではないでしょうか。

多くの補助金制度が主に中小企業・小規模事業者を対象としていますので、それら以外の規模の大きな企業も補助金を活用できるようになることは歓迎できます。補助対象者の幅が大きく広がります。

公開されている資料では、グローバルV字回復枠とは、次の要件をすべて満たす中堅企業向けの特別枠となっています。

①直前6か月間のうち任意の3か月の合計売上高がコロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して、15%以上減少している中堅企業
②補助事業終了後3~5年で付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成すること。
グローバル展開を果たす事業であること。

①の売上減少要件ついて、前回解説した補助対象者の標準要件よりも大きな減少幅が要求されています。
②の付加価値額増加要件についても、標準要件よりも高い増加率の達成が条件となっています。
③のグローバル展開については、中小企業対象の卒業枠における申請類型のグローバル展開と同じ内容になるのではないでしょうか。

いろいろと要件があり、現時点ではまだ不明な点も多いですが、新しい事業展開を計画されている場合は検討しがいのある大型補助金だと思います。

次回は補助対象経費、活用例について解説します。